蒼い剣士と青い魔術士のまったり冒険記
ネクソンのメイプルストーリーあんずサーバーで暗躍してるロキアルドとシュウレイの日記です。暇なときにでもご覧ください。
2013-03-03 [ Sun ]
こんにちはシュウレイです。
ひな祭りですね、耳の日ですねっ
ひな祭りなのに物騒なタイトルですねっ
今回はめいぽの攻略とか日記とは関係のない記事ですー。
ショートストーリー「桜花、血に濡れて」をお送りします。
破天蒼月外伝
メイプル+異世界の戦国舞台のお話です。
本編はどうしたって・・・聞こえない、聴こえない、キコエナイ。
耳の日だけど。
きこえないものは、きこえないっ!
ずっと書きたかった深雲のストーリーです。
興味のない人はUターンで華麗にスルーしてください。
ひな祭りですね、耳の日ですねっ
ひな祭りなのに物騒なタイトルですねっ
今回はめいぽの攻略とか日記とは関係のない記事ですー。
ショートストーリー「桜花、血に濡れて」をお送りします。
破天蒼月外伝
メイプル+異世界の戦国舞台のお話です。
本編はどうしたって・・・聞こえない、聴こえない、キコエナイ。
耳の日だけど。
きこえないものは、きこえないっ!
ずっと書きたかった深雲のストーリーです。
興味のない人はUターンで華麗にスルーしてください。
散り行く桜が火の粉に見えるのは悪鬼の所業だろうか。
虚ろに見える瞳にどうか、その明かりを。
たとえそれが血塗られた道であっても。
どうか、幸あれ。
春を間近に控えながら、きりりと澄んだ空気はいまだ冬である。
刺さるような寒さは実に身が引き締まる思いがする。
腰に挿した刀の位置を直す。
願掛けの長髪はしっかりと3つ編みに編みこみ、乱れもない。
このような寒い日が続いているが、妹ーみゆかは元気だろうか。
寒空の中にしっかりと立つ桜はまだつぼみすらつけておらず、
昨年の春にその下で舞踊っていた妹の姿を夢のようにすら感じる。
屋敷の中に甲高く聞こえていた声もない。
ただひたすらにため息のみがむなしく響いた。
自分に力があれば、あの縁を断らせることができただろうか。
それとも、兄者たちのように喜んでしまっていただろうか。
声をあげて泣くことを許されず、微笑みながら涙をほほに伝わせていた妹を自分はどうしたであろうか。
そして現状を考えると、吐き気がすることが起きている。
思考がぐるぐるとめぐり、次第に上下に闇の帳が迫ってきて震える。
このまま目覚めぬなら夢と思えてそれも幸せであろうか。
ぐるぐると気分悪く回る思考をさえぎるように、重いものが落ちる音が響きわずかに地面を揺らした。
砂埃と始末し損ねた枯葉が舞い上がる。
私は腰の刀に手をかけて、重いものが落下したであろう木の下へと向かった。
木から落ちたのであろうか。木の下のは、不思議なものが落ちていた。
人の形はしているが、背格好、顔立ちはわが国のものとは異なるようだ。
なんとも体の大きな男だ。
異国の・・・もしくは異形のものであろうか。
落ちた衝撃からか、頭からは血を流し、苦悶の表情を浮かべている。
うわ言をいっているが、聞き取れない。
何者かはわからないが、けが人をほうって置くわけには行かない。
真に・・・このようなときに・・・やっかいな。
どこの何者か知らないが、このようなやっかいなものを兄者たちに見せるわけにもいかず、私はこっそりと自分の部屋へと運ぶことにした。
幸いにして、兄者たちは私の住む離れには寄り付かない。
このような異形のものをかくまっていることも、隠し通せる自信はあった。
怪我をしているとはいえ、傷は浅く高いところから落ちたとは思えないほどであった。
「応急処置で済む程度で良かった」
さすがに、医者を呼ぶとなるとことが大きくなりすぎる。
私の発した声が聞こえたのだろうか、男は意識を取り戻したようで、ゆっくりと目を開けた。
深い海の色のような髪の色と同じ瞳の色。
まだボーっとしているようだが、切れ長な目からの眼光は鋭い。
額を包帯ごと覆うようにその大きな手のひらで抑える。
「痛むのか?」
傷は浅くても頭に衝撃が残り死ぬこともあると昔、剣の師匠から聞いたことがあった。もしやそのような状態ではないかと少々心配になった。
男はちらりと私をみた。
思わず声をかけたのだが伝わっているかもわからず、医者でもない私はそれ以上手を出すこともできないのでただじっと座って男を見つめた。
「この国のものではないようだが、言葉はわかるか?」
男は頭から手を離し、まっすぐと私を見た。
鋭い目つきだが、敵意らしきものはなく、もともとの目つきの悪さだろうことがなんとなくわかった。蒼い瞳はまっすぐに俺を見つめ、上下に確認する。
「わかる。だが、自分の国でもないようだ。ここはどこだ?」
やや低めの声で男ははっきりといった。
言葉は滑らかに、まるで自国の言葉のように異国の顔立ちの唇からつむがれる。
言葉に違和感はないが、あまりに滑らかな違和感。
私は刀から手を下ろすことができなかった。
「ここは倭の国。私は中御門家三男、深雲。そなたの名は?」
「ロキア・・・ロキアルド」
静寂の中、静かな声が響いた。
異国の響きの名は澄んだ音で、違和感も交えて耳に入る。
発するのには困らないが、人の名前と認識するには時間がかかりそうだ。
「ではロキア殿。2つほど質問をしよう。まじめな話だ。そなたは天狗等の妖怪のたぐいか?そしてなぜ庭木からおちてきたのだ?」
ロキアルドは鋭い目を一瞬丸くしてきょとんとした顔をしたあと、噴出すように笑った。
あまりにからからと笑うので、私はまじめな顔を崩して、思わずじと目でみつめた。
すると、さすがにその険悪な顔に気がついたようで、ロキアは呼吸を整えて表情を戻そうとした。
だが、口の端にまだ笑いのかけらが残っているようで、やや持ち上がっている。
「いあいあ、すまない。天狗とはびっくりして。確かに私は異国のもののようだが、天狗ではない。もともとビクトリアアイランドという島からオシリア大陸へとうつる途中だったのだが、敵の襲撃にあって船から落とされたはずなんだ」
私の顔は今までの人生の中で一番よくわからない表情をしていることだろう。船とは海を行くもので、このような山奥の国に届くはずもなく、そして聞きなれない国だろうか、島だろうかの名前。なにもかもがよくわからないことばかりだ。
「よくわからないだろう。私も良くわかっていない。なにぶん、空飛ぶ船だからもうだめだと思ったんだが、なぜか助かっているし、おまけにきいたこともない国にたどり着いている。いろいろなことが起き過ぎて自分自身もどうしたらいいかわからない。ともかく、助けてくれてありがとう」
ロキアは頭を下げる。背の低い私からは下げてもまだ高い頭。少々の苛立ちはあるが、礼として受け取る。
「怪我人をほうっておくわけには行かなかっただけだ。当然のこと。だが、少々面倒なことになった。わが国は非常に閉鎖的で、異国のもの、異形のものには冷たい。いっそうのこと天狗であったのならば山へ帰れといえたのだが、その様子だと帰り方もわからないであろう」
ロキアはあごに手を添えてうつむき考え込む。しばし考えている様子だが、良い案もないようで眉間にしわがより始める。
私も刀には手をかけたままであったが、反対の手は胡坐をかいた膝に頬杖をついて、ロキアを見つめた。
なにかいい方法は・・・と思うがいい方法は一向に思いつかない。
手があまりの静寂に暇となり、刀の飾り紐で遊びはじめる。
「しかたない・・・いい方法が見つかるまでだ。その姿を隠してこの部屋に潜むといい」
しばらく考えたが私自身もいい方法が見つからず、無碍に追い出すわけにも行かず。
行く当てもない異国のものを私はかくまうことにした。
兄者たちにさえ見つからなければ、この離れにいるものは私の親しいものばかり。
だいじょうぶであろう・・・
虚ろに見える瞳にどうか、その明かりを。
たとえそれが血塗られた道であっても。
どうか、幸あれ。
春を間近に控えながら、きりりと澄んだ空気はいまだ冬である。
刺さるような寒さは実に身が引き締まる思いがする。
腰に挿した刀の位置を直す。
願掛けの長髪はしっかりと3つ編みに編みこみ、乱れもない。
このような寒い日が続いているが、妹ーみゆかは元気だろうか。
寒空の中にしっかりと立つ桜はまだつぼみすらつけておらず、
昨年の春にその下で舞踊っていた妹の姿を夢のようにすら感じる。
屋敷の中に甲高く聞こえていた声もない。
ただひたすらにため息のみがむなしく響いた。
自分に力があれば、あの縁を断らせることができただろうか。
それとも、兄者たちのように喜んでしまっていただろうか。
声をあげて泣くことを許されず、微笑みながら涙をほほに伝わせていた妹を自分はどうしたであろうか。
そして現状を考えると、吐き気がすることが起きている。
思考がぐるぐるとめぐり、次第に上下に闇の帳が迫ってきて震える。
このまま目覚めぬなら夢と思えてそれも幸せであろうか。
ぐるぐると気分悪く回る思考をさえぎるように、重いものが落ちる音が響きわずかに地面を揺らした。
砂埃と始末し損ねた枯葉が舞い上がる。
私は腰の刀に手をかけて、重いものが落下したであろう木の下へと向かった。
木から落ちたのであろうか。木の下のは、不思議なものが落ちていた。
人の形はしているが、背格好、顔立ちはわが国のものとは異なるようだ。
なんとも体の大きな男だ。
異国の・・・もしくは異形のものであろうか。
落ちた衝撃からか、頭からは血を流し、苦悶の表情を浮かべている。
うわ言をいっているが、聞き取れない。
何者かはわからないが、けが人をほうって置くわけには行かない。
真に・・・このようなときに・・・やっかいな。
どこの何者か知らないが、このようなやっかいなものを兄者たちに見せるわけにもいかず、私はこっそりと自分の部屋へと運ぶことにした。
幸いにして、兄者たちは私の住む離れには寄り付かない。
このような異形のものをかくまっていることも、隠し通せる自信はあった。
怪我をしているとはいえ、傷は浅く高いところから落ちたとは思えないほどであった。
「応急処置で済む程度で良かった」
さすがに、医者を呼ぶとなるとことが大きくなりすぎる。
私の発した声が聞こえたのだろうか、男は意識を取り戻したようで、ゆっくりと目を開けた。
深い海の色のような髪の色と同じ瞳の色。
まだボーっとしているようだが、切れ長な目からの眼光は鋭い。
額を包帯ごと覆うようにその大きな手のひらで抑える。
「痛むのか?」
傷は浅くても頭に衝撃が残り死ぬこともあると昔、剣の師匠から聞いたことがあった。もしやそのような状態ではないかと少々心配になった。
男はちらりと私をみた。
思わず声をかけたのだが伝わっているかもわからず、医者でもない私はそれ以上手を出すこともできないのでただじっと座って男を見つめた。
「この国のものではないようだが、言葉はわかるか?」
男は頭から手を離し、まっすぐと私を見た。
鋭い目つきだが、敵意らしきものはなく、もともとの目つきの悪さだろうことがなんとなくわかった。蒼い瞳はまっすぐに俺を見つめ、上下に確認する。
「わかる。だが、自分の国でもないようだ。ここはどこだ?」
やや低めの声で男ははっきりといった。
言葉は滑らかに、まるで自国の言葉のように異国の顔立ちの唇からつむがれる。
言葉に違和感はないが、あまりに滑らかな違和感。
私は刀から手を下ろすことができなかった。
「ここは倭の国。私は中御門家三男、深雲。そなたの名は?」
「ロキア・・・ロキアルド」
静寂の中、静かな声が響いた。
異国の響きの名は澄んだ音で、違和感も交えて耳に入る。
発するのには困らないが、人の名前と認識するには時間がかかりそうだ。
「ではロキア殿。2つほど質問をしよう。まじめな話だ。そなたは天狗等の妖怪のたぐいか?そしてなぜ庭木からおちてきたのだ?」
ロキアルドは鋭い目を一瞬丸くしてきょとんとした顔をしたあと、噴出すように笑った。
あまりにからからと笑うので、私はまじめな顔を崩して、思わずじと目でみつめた。
すると、さすがにその険悪な顔に気がついたようで、ロキアは呼吸を整えて表情を戻そうとした。
だが、口の端にまだ笑いのかけらが残っているようで、やや持ち上がっている。
「いあいあ、すまない。天狗とはびっくりして。確かに私は異国のもののようだが、天狗ではない。もともとビクトリアアイランドという島からオシリア大陸へとうつる途中だったのだが、敵の襲撃にあって船から落とされたはずなんだ」
私の顔は今までの人生の中で一番よくわからない表情をしていることだろう。船とは海を行くもので、このような山奥の国に届くはずもなく、そして聞きなれない国だろうか、島だろうかの名前。なにもかもがよくわからないことばかりだ。
「よくわからないだろう。私も良くわかっていない。なにぶん、空飛ぶ船だからもうだめだと思ったんだが、なぜか助かっているし、おまけにきいたこともない国にたどり着いている。いろいろなことが起き過ぎて自分自身もどうしたらいいかわからない。ともかく、助けてくれてありがとう」
ロキアは頭を下げる。背の低い私からは下げてもまだ高い頭。少々の苛立ちはあるが、礼として受け取る。
「怪我人をほうっておくわけには行かなかっただけだ。当然のこと。だが、少々面倒なことになった。わが国は非常に閉鎖的で、異国のもの、異形のものには冷たい。いっそうのこと天狗であったのならば山へ帰れといえたのだが、その様子だと帰り方もわからないであろう」
ロキアはあごに手を添えてうつむき考え込む。しばし考えている様子だが、良い案もないようで眉間にしわがより始める。
私も刀には手をかけたままであったが、反対の手は胡坐をかいた膝に頬杖をついて、ロキアを見つめた。
なにかいい方法は・・・と思うがいい方法は一向に思いつかない。
手があまりの静寂に暇となり、刀の飾り紐で遊びはじめる。
「しかたない・・・いい方法が見つかるまでだ。その姿を隠してこの部屋に潜むといい」
しばらく考えたが私自身もいい方法が見つからず、無碍に追い出すわけにも行かず。
行く当てもない異国のものを私はかくまうことにした。
兄者たちにさえ見つからなければ、この離れにいるものは私の親しいものばかり。
だいじょうぶであろう・・・
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