蒼い剣士と青い魔術士のまったり冒険記

ネクソンのメイプルストーリーあんずサーバーで暗躍してるロキアルドとシュウレイの日記です。暇なときにでもご覧ください。

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2008-09-26 [ Fri ]
女神に捧げる約束の鎮魂歌


「いつの日か、どちらかの魂が優しい大海へ抱かれるその時まで・・・」
私は海に沈む夕日を見ながら、親友のルティディアの前でふっと浮かんだ言葉をそう口にした。
「素敵なフレーズね・・・歌にするのもいいかも」
ルティディアはピンク色ストレートの長髪を風に靡かせながらそう言った。
「じゃあさ、私が『あの力』を習得したときにはこのフレーズを使って是非歌ってやってよ」
「分かった。考えておくね」
「楽しみだな・・・頑張らないとね」
私の茶色のウェーブの長髪もまた、風に遊ばれて流されるように靡く。
私の名前はユスティーユ、ヒーローを目指す1人の女ナイト。
この物語の主人公である・・・


「貴女のようなナイトには片手剣をお勧めするよ。盾はそうだね・・・防御力も大事だけど、そこそこの強化が施されている、この神具をお勧めするね。なんたって普通じゃ製造できないメイプルシールド! おまけに攻撃に特化してる特殊仕様だぜ」
商人が私にフリーマーケットで武具を勧めてくれる。
この商人もまた、戦士のようでお古の装備を安く売ってくれるとのことで手ごろな品が手に入るかと期待していた。
「で、おいくらほどなんですか?」
「おう! これほどの強化品ではあるが・・・お嬢さんには特別サービス! ファルシオンは500m(5億メル)でどうだ! 盾は1G(10億メル)だ! これだけの強化品そうそうないぜ!」
私とルティディアは高額なアイテムに驚き、お互い目を点にしてみつめってしまった。
「と、とてもじゃないけど・・・全財産集めてもファルシオンすら買えないですよ・・・」
驚きながらも断ろうと口を開く、途端に店主の態度は豹変した。
「なんだ! なんだ!? こっちは丁寧に説明までしてやったんだぞ! ナイト成り立て風情が偉そうな物言いだな!!」
店主に怒鳴られ、それに萎縮し、更にフリーマーケットの利用者の視線に晒されてパニックになりそうになった時だった。
「偉そうな物言いはどっちですか?」
冷たくも鋭い声が静かながらも響き、私達と周りの人の視線は全てそっちに向いた。
青色のラデアの髪型に空色の透き通った瞳の綺麗な女性が1人・・・装備からアークメイジだと分かった。
武器を持ちながら両腕を組み、明らかに店主を威圧しようと近づいてくる。
しかしながら、店主は怯みもせずそのアークメイジに近づいていく。
手には先ほど私に売ろうとした剣を握っている。
「あ、危ないですよ」
精一杯の声を出した、アークメイジの女性にも伝わったと思うけど、彼女は怯まずに仁王立ちをしている。
「魔法使いが知ったかでモノを言うな!! 相場も分かっていねえクズは黙ってろ! 切り刻んでやろうか! てめえの面をな!」
店主はそう言いながら、女性との距離を一気に詰めようと駆け寄っていく。
「そんな事をしてみろ・・・いや、させることはないがな・・・」
アークメイジの女性の後ろから巨剣を構えた1人の男性が現れ、店主へと一瞬で間合いを詰めた。
次の瞬間、店主は鞘に収まったまま剣で切り上げられ、その一撃で気絶し無様に倒れた。
「ロキアルド・・・手助けは不要だったぞ」
男性は装備から、戦士であることは一目瞭然である。
蒼いプリンスという髪型に、鋭い蒼色の瞳、メガネをかけ、左頬には紅の刀傷があり、怖そうに見える。
「だろうな・・・こんな一撃で倒れちまう程度の戦士じゃな・・・ それにシュウレイだけじゃなく、私だって、こんなやつに偉そうに戦士のことを語って欲しくはないしな」
アークメイジの女性はシュウレイという名前らしい。
この2人は強いってことは私でも分かったし、この2人は既に『あの力』を取得している人というのも分かった。
「私達のせいで、ちょっとした騒動にしちゃいましたね。失礼しました。私の名前はシュウレイ。そしてこのゴツイのがロキアルドといいます」
「なんだよ! そのゴツイっていう説明は・・・ 何かお困りなら私達で良かったら手を貸しましょうか?」



騒ぎは落ち着いたようだが、人が多い場所から離れひと気のないフリマの1室にみんなで移動した。
「なるほど、ナイトになったばかりで装備を新調しようとしてたのか・・・弟子に貸していた武具があるからそれを良かったら貸しますよ」
ロキアルドさんとシュウレイさんは私達の話しを聞いては色々と配慮してくれた。
私とルティディアは、小さな辺境の村に住んでいたけど、凶暴なモンスターの群れに襲われて村は崩壊してしまったこと。生き残った数名でなんとかビクトリアまで逃げ延びたけど、散り散りになってしまい、今日まで2人で頑張って生きてきたこと・・・
今までの修練が功をそうして、昨日3次職のナイトになれたことを彼らに話した。
「それはすごいな。私もナイトになるまでも大変苦労しましたよ。もしよかったら、修行のほう私達も手伝いましょうか? そして気が向いたら、うちのギルドに所属してもらっても構いませんしね」
ロキアルドさんの申し出は有難かったけど、今までずっと2人だけでやってきた私達は戸惑いギルドに所属することは躊躇し、またの機会にとその返答とした。
「先のように残念ながら、力と知識を悪用する愚者も多くいる・・・十分に気をつけて」
シュウレイさんも残念そうであったが、手持ちの不要になった武具をルティディアに渡し、ロキアルドさんは、また再会できた時に今使っていない武具を私に貸してくれると言ってくれて約束してくれた。
そして2人は人が混み合うフリーマーケットの中へと姿を消していく。
私達にとって、この出会いがとても大事な意味があることを理解するのは、しばらくして分かることでした。


私とルティディアは職業的な相性も大変いい。
剣となる私と、盾となるルティディアのコンビは申し分ない。
私がダメージを受けてもすぐさま回復させてくれるルティディアのサポートで、私も少しずつであるが確実にヒーローへと近づいていた。
自分達のペースで、本当に大丈夫なのか・・・
不安もあるがルティディアにあまり負担もかけたくはなかった。
彼女はいつも自分のことより私のことを気遣ってくれる。
「ユスティ、あんまり無理しないでね・・・」
「あ、ありがとう・・・悪いけど今日はここまでかな・・・」
マガディアで暴走する機械型モンスター「ネオヒュロイド」を相手に修練をしていた。
人型であるモノを斬るということに少々の抵抗があったが、ここでの修練は身につきやすかった。
「あ、危ない!」
倒したつもりであった、ネオヒュロイドの残骸から撃ちだされた小型ミサイルに気づくのが遅れた。
もう少しで直撃というとこで、巨大な丸い影が現れてミサイルを切り落とし私は助かった。
「あ、ありがとうございます・・・」
奇襲と援護に驚き呆気に取られた私は、オドオドしながらお礼を言った。
「流石だな、轟。いい状況判断だった・・・」
「ありがとうございます。師匠」
巨大な丸い影の正体はアフロの頭の戦士で、その後ろにはあの巨大な剣「グリュンヒル」を構えたロキアルドさんの姿があった。
「縁があるようですね。久しぶり。2人とも」
「え? 師匠のお知り合いだったんですか?」
このアフロの戦士もロキアルドさんの関係者なのだろう。
「ああ、フリマでこないだ出会った2人だ。1人は轟と同じ頃にナイトなった剣士の人だ」
「そうなんですか!? 私が轟転魚(ごうてんぎょ)、通称「轟」です。よろしくお願いしますね」
屈託のない笑顔とはこういう笑顔なんだろうなと思わせてくれる表情で、轟さんは私達に挨拶してくれた。
「轟は私の弟子の1人でね。3次職のナイトなんだ。ユスティーユさんと同じってことだ。私達はしばらくはこの辺りで修行するから機会があれば・・・」
ロキアルドさんが話をしている途中に、轟さんが閃いたと言わんばかりの顔で言いだす。
「機会があればなんて、折角ですし是非ご一緒しましょう! そして、良かったら友達になりましょう!」
そういいながら、轟さんは私とルティディアの手を取り手を重ね合うように握手した。
私もルティディアも悪い気はせず、ビクトリアでの初めての友達ができ凄く嬉しかった。
「ロキアの修行を1人で受けるのは大変です。仲間がいれば少しは気楽になります」
冗談掛かった言い方で、舌を出してふざけながらいうと、ロキアルドさんのゲンコツが轟さんのアフロの中へと消えて、ゴンッと音がした。
「あう~・・・」
「あう~じゃない。折角の才能だ! 鍛えないでどうする! まあ、今日は遅いしまた明日にしよう。
シュウレイがご飯を作ってくれているはずだ。轟のいうとおり折角だし、お二人も是非来てください」
ロキアルドさんと轟さんの招待を受け、素敵な一夜を過ごすことになった。



「ロキアルドは別室で休むから安心してね」
シュウレイさんと轟さんを含み4人で1つの部屋に雑魚寝する形になっている。
マガディアの空き小屋の1つを借りて3人で来ていたそうで、食事のあとはこのままここで就寝することになった。
「シュウレイさんがそんなこと言っちゃっていいんですか・・・」
「ロキアルドとはいえ、男だ。安心するためには隔離するんだよ。轟さん」
本音か冗談か分かりにくい言い方で言うシュウレイさんが可笑しかった。
食事の時の話にでてきたが、ロキアルドさんとシュウレイさんは夫婦のようで正直、素敵な旦那さんがいることを羨ましくも思う。
「頼りになる素敵な旦那さんじゃないですか? うらやましいですよ。シュウレイさん」
「ユスティーユさんにだって、素敵な人が絶対見つかりますよ」
轟さんは明るくそういいながら私の手を握る。
私の不安が轟さんには見えたのかも知れない。
それを心配しての行動だったかもしれないが、嬉しかった。
「轟さんの手は本当に暖かいね・・・」
今まではルティディア以外と触れ合うこともなく、久しぶりに人の優しさと温かさを実感した。
「えへへ、そうですかね」
恥ずかしそうに轟さんが笑い、それを見てみんなと和んだ。
「では早く寝ちゃいましょう。明日も修行ですよ」
疲れきっているルティディアがそういうと、シュウレイさんが部屋の明かりであるランプを魔法の応用で消し、部屋は闇に閉ざされる。
久しぶりに心地良い眠りに私はついた。


シュウレイさんは部屋で錬金術の研究などのために小屋に残り、4人だけでマガディアのアンダーグランドのモンスター狩りを始める。
サイティとホムンクルーという霊体となるアンデッド型のモンスターで、ロキアルドさんは時折、モンスターマグネットを使ってモンスターを轟さんや私の前に引っ張ってくる。
お化けの群れが一気に迫ってくるのは正直怖かった。
怯える私と違って、ルティディアは華麗な動きでサポートをしてくれる。
「ルティディアさんはプリーストになったばかりとは思えませんね・・・」
「私は半年ほど前になりました」
「そう! ルティディアは努力家でね! おかげでいつも私は助けられてるですよ」
ルティディアは私が休んでいるときも、時間に余裕があれば1人だけでも修行をしている。
それは私を万全な体勢でサポートしようとしてくれている。
だから、そんなルティディアがロキアルドさんに褒められてすごく嬉しく興奮しながら言ってしまった。
自分が思ってる以上にルティディアに感謝しているのかな。
「ユスティーユさんだって、もう2,3ヶ月になるのかな。いい動きしてますよ」
「すごいですね。私はなかなか・・・いつもロキアに指摘されちゃいます」
不意に私も褒められて、嬉しいけど自分のこととなれば恥ずかしくも思えた。
「もっと、もっと頑張ります!」
そう言って前に出た私の横には轟さんも並んでくれている。
仲間がいっぱいいるってことは素敵だ。
いつも以上に頑張れる気がする。
そして、1匹のモンスターを倒したと思ったそのとき、視界が途切れ私は闇の中へと沈んでいった。


気がつけば、そこは昨晩みんなと寝た部屋である。
急ごしらえでベッドを作ってくれたようで私はその上で寝ているた。
そして、右手に感じる暖かさはルティディアのヒールとその優しさ。
「また、倒れちゃったんだね・・・ごめんね・・・」
「ううん、気にしないで・・・あとでみんなにお礼言わないとね。素敵なベッドでしょ?」
ルティディアはいつも私を献身的に支えてくれ、私が倒れることにはもう慣れている。
だから、いつもいつも負担をかけてしまっている・・・
いつかお返しできるように頑張らないとと考えてしまう。
部屋にノックが響き、ルティディアがどうぞというとシュウレイさんと轟さんが入ってくる。
「声がしたので気づいたのだと・・・ロキアルドは今、優秀な医者を呼びにオルビスまで行ってるから・・・」
轟さんは、食事を作っていてくれたようでスープとパンとミルクを持ってきてくれた。
「医者ですか・・・ありがとうございます・・・ではロキアルドさんが戻ってきたらお話したいことがあります・・・」
私は、体の痛みと心の痛みを感じながらロキアルドさんが戻るのを待った。
不安だった。
本当の事を話しても、この人達が今まで通り私に接してくれるか・・・
しばらくして来た医者は私の身体を検査したが、原因は分からず処置の方法すら検討もつかず途方にくれているようであった。
医者は困りながらも、また何かが分かればすぐ連絡すると言ってオルビスへと戻って行った。
たぶん、あの医者も何も分からないだろう・・・残念ながら医者の力ではどうしようも出来ないことを私は知っている。
沈黙が続き、重い空気を感じたが私は思い切って話をすることを決めた。
「私は・・・もうすぐ死ぬかもしれないのです。1年ほど前に体の異様な不調を心配に思い、いくつかの病院や有名な魔法使いの元を訪ねました。そして、オルビスのスピネルさんのとこに行った時にその原因が分かりました。心無い何者かが、私に呪いをかけていると言うことが・・・」
重い空気が更に重くなることを実感した。
さっきの医者の言動からでも普通ではないことが、みんなにも理解されているのだろう、驚いてはいるようだけど冷静に受け止められている。
「でも! でも絶対死ぬわけではないのです!」
大人しいルティディアが大きな声で叫ぶように言った。
「希望はあるんです! あの力・・・リプレの神秘の力である4次職、そしてそのスキルであるメイプルヒーローとヒーローインテンションがあれば治るかもしれないのです!」
ルティディアの必死の訴えをみんなは真剣に聞いていた。
「なるほど・・・能力全てを向上させるメイプルヒーローに、特殊な状態異常を解除するヒーローインテンション・・・確かに可能性はあるね」
シュウレイさんが納得し、ロキアルドさんと轟さんも頷いた。
「時間的にも余裕はあるのか? その症状か呪いの進行具合からでも分かればいいんだが・・・」
正直私も分からない、余裕があるとは思えず答えることに考えているとルティディアが口を開く。
「余裕はないですね・・・できるだけ急がないといけないはずです・・・」
それを聞いたロキアルドさんとシュウレイさんは少し考えたあと、口を開く。
もう面倒を見切れない・・・
悪いけどこれ以上は一緒に行動できない・・・
嫌な言葉ばかり頭を過ぎる。
しかし、思ってもいない言葉を聞くこととになった。
「分かった・・・少しばかり厳しい状況になるかもだが、リプレにいこう。あそこでの修練が一番早いだろう。轟、先行してリプレの家を1つ借りてきてくれ」
ロキアルドさんはそういうと、轟さんに大量のメルを渡し、先を急がせた。
「わかりました! 先に行って待ってますね」
轟さんは牛乳を飲んで、ジパングへと飛んでいった。
「では移動の準備に取りかかろう。重い荷物は全部ロキアルドに渡して」
シュウレイさんはそう言いながら、荷物の整理を始めた。
「はいよ。ユスティーユはそのままでいいよ。体が落ち着いたら移動しよう。ルティディアはユスティーユを看ててやって」
ロキアルドさんも準備のためか、そう言うをすぐに部屋を出て行った。
もうすぐ死ぬかもしれない私のために彼らは動いてくれる。
それも原因不明の呪いということを知って尚、私のために動こうとしてくれる人がいる。
嬉しくて涙が出てしまった。
「良い人達に会えたね・・・きっと大丈夫だよ。頑張ろうね」
励ましてくれるルティディアの目からも涙が零れていた。


私達がリプレで修練を初めて1ヶ月が経過した。
私も轟さんも、もう少しでヒーローへの昇格試験を受けれるだけの力を手に入れた。
武具も立派な鎧と両手剣のクレイモアを使っている。
轟さんは、鎧はロキアルドさんが作った特製品に、青い刃の青雲剣を使っている。
「よし、では今からリプレの奥地にいる『スケルゴサウルス』と『マスタースケルゴサウルス』の2種類、通称『骨』を相手にしよう。かなり強いモンスターだ。戦士とはいえ、あいつらの直接攻撃を2回連続も受ければ危ないぞ。ヒールによる浄化も可能ではあるが、タフだから危ない。私とシュウレイがフォローに回るとはいえ、油断しないでくれ」
ロキアルドさんの説明を受け、私達は『骨』に向かった。
骨はスキルを発動し、能力を高めると口から魔法のビームを撃ち出してくる。
ロキアルドさんがグリュンヒルを駆使し、ビームを受け止めて盾代わりになってくれたり、ビームを放つ直前にラッシュというスキルで骨をまとめて押し返し、場合によってはパニックで骨を両断し倒してくれたりと付きっきりで援護してくれた。
轟さんと2人でロキアルドさんの動きを見て、それを参考にできるだけ頑張ってみた。
骨はリプレで死んでいったモンスターの怨霊とも言われているだけあって、地中からどんどん沸いて出てくる。
処理に困ればシュウレイさんがインフィニティというマナの量を一時無限に近づけ、ブリザードという氷の刃を無数に召喚し骨達を串刺しにしていく。
確かに大変な相手だけあって、修行の効果は抜群であり、もう少しで目標の試験を受けれるとこまでに近づいていた。
そして、この日も無理をしないということで早めに切り上げて、全員で町にもどって私とルティディアは町の片隅でゆっくりと過ごしていた時のことである。
「おい! お前達みたいなクズは死んでしまえばいいんだよ!」
聞こえてきたのは、酷い内容の叫び声であった。
ルティディアが内容が内容だけに、それを注意しに行く。
「命とは軽いモノではないです。そんなこと言うのは止めてください」
その言葉の中には私のことを想ってのことだろう、いつもより強い口調でルティディアは言った。
そこには、1人の魔法使いが、数名のグループに向かって酷い言葉を投げかけている場面であった。
「はぁ!? お前には関係ないだろ! 黙ってろよ雑魚!」
また汚い言葉を今度はルティディアに向かって声を荒げる。
ぱっと見でも分かるほど、レベルの高い武具に纏った魔法使いが、弱い立場への人間を罵倒する光景は恐ろしく思える。
「こいつらは、詐欺師で禁術使って悪いことしてるんだよ! 知らない癖に黙ってろ!」
ルティディアは疑問に思ったのか、すぐに数名のグループ方に確認する。
「本当なんですか?」
「そんなことしたことはないです! そこの魔法使いが勝手に言って来てるんですよ・・・」
ルティディアは確認すると、すぐにそのことをいうが聞く耳を持たないようで、また汚い言葉を叫びだしてくる。
「俺達は逃げますから、アンタ達も逃げたほうがいいぞ。あいつは普通じゃない・・・」
グループの1名が牛乳を取り出すと、それを全員で飲み干しその場から飛んでいく。
矛先を失った魔法使いは、今度は私とルティディアに付き纏い執拗に暴言を吐いてくる。
異変に気づいたロキアルドさんとシュウレイさんが助けに来てくれた。
「大丈夫か!?」
ロキアルドさんはグリュンヒルを構え、威嚇するように私達と魔法使いの間に割って入る。
「また貴様か・・・桃花染(あらぞめ)・・・」
ロキアルドさんが知っている相手であるようで、無論そのアラゾメという魔法使いもロキアルドさんのことを知っているようで、突然異様な笑顔になった。
「なぁ~んだ!!! お前の仲間か!! ってことはこいつらもクズの仲間じゃないか!!」
歓喜しているようにも見受けられ、私は戦慄した。
「シュウレイ!!」
ロキアルドさんの叫び声と同時にシュウレイさんが舞い降りるようにアラゾメの後ろに現れて叫ぶ。
「静寂の煉獄!!」
驚くアラゾメの背後でシュウレイさんの魔法が発動し、シールという呪文によりアラゾメは呪文を唱えれなくなり、スローも掛かって動きが鈍くなったアラゾメにロキアルドさんがグリュンヒルで斬りかかる。
「え!?」
私とルティディアは突然の出来事で、驚き声がでてしまった。
グリュンヒルでの攻撃は刃の腹で殴った峰打ちであったようで、アラゾメはそこに気を失って倒れこむ。
「よし、今の内にショーワまで飛ばすぞ!」
ロキアルドさんは手持ちのフルーツ牛乳を、無理やり飲ませてアラゾメをショーワへと飛ばした。
「すぐに戻ってくるだろう・・・家に戻ろう・・・ここにいるのは危ないよ」
シュウレイさんに言われるまま、私達も帰路に着いた。
ロキアルドさんとシュウレイさんの説明でアラゾメの事が少しは分かった。
普通ではないというのは確かなようで、極めた魔法の力を身勝手な正義で悪用している存在であり、多くの人間が迷惑している存在のようであった。
ロキアルドさんもシュウレイさんも、何度か話し合いによる解決を目指したが、話すら通じず今ではアラゾメに敵意を抱かれて攻撃を受けることも多々あるということであった。
ルティディアが目指す上級職に、あんな人がいることはすごく残念なことである。
「あの人も、昔は普通の良い人だったんだけどね・・・この世界では力を手にしていく過程で変わってしまう人が多すぎる・・・」
シュウレイさんが悲しそうな顔をしながら呟いた。
「でも! ロキアやシュウレイさんのような人もいますから!」
轟さんは立ち上がりながら叫ぶように言った。
「そうだね。全員が力を手にして悪くなるわけじゃないよね」
私も共感し、轟さんと共に声を上げた。
ロキアルドさんとシュウレイさんも私達の言葉を聞いてか笑顔になり、ロキアルドさんは口を開いた。
「・・・明日には恐らく3人とも、4次転職試験が受けれるレベルまでに達するはずだ。あと少しだ頑張ろう。ユスティーユ、体のほうは大丈夫かい?」
「はい。なんとか大丈夫かと思います。だから明日も頑張りましょう」
この時、私は分かっていた。もうギリギリの所に自分が居ることを・・・
しかし、まだ希望はある・・・
だけど、不安も恐れもある・・・
その感情よりも疲労のせいで、私は深い眠りへと落ちていった。



骨狩りは、私とルティディアと轟さんにシュウレイさんでのPTに、ロキアルドさんがフォローに回る形で行われた。
私とルティディアが危険な状態になりそうになれば、ロキアルドさんやシュウレイさんがすぐに助けに来てくれる。
この数日での、私達の成長は急激なモノもあり、自分の力のはずなのに使いこなせていない感じがありました。
特に轟さんは、自分の力に振り回されているようにも見受けられ、隙あらばと言わんばかりにロキアルドさんに指摘されていた。
そして、ルティディアと轟さんに4次転職試験が受けれるレベルになったと、祝福(レベルアップ)の光が注がれた。
眩い光に包まれる2人を見て、もうすぐ自分もという期待を抱きながら、みんなのサポートを受けながら最後の力を振り絞って私は剣を握っていた。
眩い光が天から差し込む、しかし暖かい光ではない・・・
私にすら分かる殺気と狂気を孕んだ、悪意ある攻撃の光であった。
「朝霧の障壁!」
シュウレイさんが咄嗟に私達の前に立ちふさがり、マナリフレクションという魔法を跳ね返すスキルを展開された。
その魔法を持ってしても、全ての攻撃を捌ききれるモノではなく、衝撃波で私達は吹き飛ばされた。
衝撃波を喰らいながら、私達の盾になろうと立ち塞がっていてくれたのはロキアルドさんであった。
「アラゾメか!?」
その光の魔法で攻撃してきたのは、昨日のアラゾメというビショップであった。
「クックック・・・弱いな! 雑魚が!」
ファックサインをしながら、見下し罵倒してくるアラゾメに対して、ロキアルドさんは斬りかかる。
アラゾメへの間合いを一気に縮めようと向かう、ロキアルドさんに無数の影が襲いかかった。
「ちっ! 鬼胡桃まで連れてきたか・・・」
アラゾメの後ろには仲間らしい黒装束のナイトロードが手裏剣を構えいる。
ロキアルドさんは体に刺さった手裏剣数枚をいともしないまま、2人に斬りかかるがヘイストを巧みに使いこなし、攻撃を全て回避していく。
「ここまで・・・ここまで来て!! 私がこいつらを何とかする! ユスティーユとルティディアは、2人だけでずっと絶望の中からでも希望を掴もうと必死にやってきた! こんな世界でも救いと希望はあるって事を見せてやらないでどうする! シュウレイ! 轟!! あとは任せる!!」
ロキアルドさんは叫ぶように言い放ったあと、ブレイブを使い、また2人に突っ込んでいく。
アラゾメはバハムートを召喚し、咆哮と共に放たれた攻撃がロキアルドさんを襲った。
「ここはロキアルドに任せましょう、もう少しのはずです・・・ルティディアさん。ミスティックドアを!」
シュウレイさんの指示で私達はドアをくぐり、リプレへと帰還した。
「逃がすかぁああ!!」
アラゾメの声がドア越しにまで聞こえてきた。
「ロキアなら絶対なんとかしてくれますから。私達は私達にしかできないことを!」
轟さんも、声を荒げて焦りを隠すように私達に激を飛ばしてくれた。
シュウレイさんの案内で、リザードマンの巣窟である龍の墓へといき、そこで最後の仕上げをすることになった。
「あ・・・」
私が小さくつぶやくと同時に、祝福の光が体を照らした。
「おめでとう・・・ユスティーユ・・・」
ずっと私を支えてくれた、涙を流しながら、抱きついてきたルティディアにとっても長い道のりだったはずなのだ。
私より、大変に感じて、不安にも思っていたって不思議ではないのだから。
「おめでとう。ユスティーユさん」
そんな、私達を優しく見つめ、祝福してくれるシュウレイさんと轟さんもいる。
「では急いでエルナスに・・・このテレポストーンを使いましょう」
シュウレイさんの手には、不思議に光を放つ青い石があり、それを私達にもと1個ずつ配ってくれた。
そこに、激しい轟音と共にまたアラゾメが現れる。
「てめえらも死ねええええええええ!」
アラゾメの装備はボロボロの状態であり、激しい闘いのあとであることは分かる。
「轟さん! 2人を連れてエルナスに!!」
石を全て轟さんに託し、シュウレイさんの体は青白く光を放った。
「天を破る蒼き月!! 破天蒼月!」
シュウレイさんは白虎を構え、呪文を唱えた。
アラゾメが放つ光すべてを、天より降注いだ氷の剱が遮断した。
「まだだっぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
その声と同時にグリュンヒルを振り下ろしアラゾメを斬りかかろうとするロキアルドさんが現れた。
鎧は破損し、マントはボロボロになりながらも、私達のために闘ってくれていたのだろう。
その姿を見て、私達もその期待に絶対に答えないとと思いながら、石の不思議な力でエルナスまで飛んだ。


タイラス様に会ったのも久しぶりだけど、先日ナイトになったような気もする。
無事に転職証明書を3人とも貰った。
そして、魔法の種を使いジパング、エリニア経由ですぐにリプレに戻った。
「待っていました・・・轟さん」
そこにいたのは、青髪のアークメイジと、茶髪にメガネのビショップと赤髪の三つ編みヒーローだった。
「ティスさん・・・猫石さん・・・もつけさん・・・」
轟さんと同じギルドの仲間であるようで、既に準備をして待って居てくれたようであった。
「ほかのメンバーがレッドドラゴンとグリフォンと戦闘中です。いそぎましょう」
「移動しながら手順は説明する。全部ロキアから聞いてるから安心して」
3人の誘導で私達は、すぐにハルモニア様のとこにいき、話を聞いてすぐにレッドドラゴンの森へと向かった。
巨大な紅の龍は、炎を吐き出し、羽を羽ばたかせソニックウェーブを起こし攻撃してくる。
1人のヒーローが、巨大な斧を駆使しそのドラゴンと戦っている。
「おまたせ!だまさん」
「気にするな。大丈夫!」
「すぐにとどめを!」
レッドドラゴンは瀕死に近い状態で、それでも私達に牙を向け続けているのであった。
「はい!!」
私は勢い良くクレイモアを巨大なお腹に目掛け斬りかかる。
龍の断末魔は森を響かせて、巨体は倒れ無へと還っていく。
いくつかの光が激しく舞上がり、地に降り立つと共にペンダントへと変わっていった。
「1つしかでないか・・・優先はユスティーユさんだと伺っています。さあお早く」
轟さんもルティディアも焦ることはない。
優しい顔で私に微笑みかけてくれた。
そのおかげで、私は迷うことなくそのペンダントを首にかけた。
「では次はグリフォンです!」
その声と同時に全員が移動を開始する。
私も、それについて行こうとしたが、体に激痛が走る。
「ウゥッ・・・」
異変に気づいた、ルティディアが急いで駆け寄ってくる。
「大丈夫・・・あと少しだから・・・頑張れる・・・」
苦しく言葉になっているか分からない、精一杯の声を出したつもりだった。
轟さんが私の横について、肩を貸してくれた。
「一応戦士ですから・・・急ぎましょう。あと少しだけの辛抱ですよ」



グリフォンの森には1人のダークナイトが、ずっとグリフォンと闘っていたようである。
「舞踏媛おまたせしました!」
「大丈夫。もう少しで倒せるはずだよ」
全員がグリフォンを囲うように配置につき、知能の高いグリフォンも覚悟を決めたのであろうか、その場に降り立ち、静かに座り込んだ。
死を目の前にして、モンスターといえどもどんな気持ちなのかと考えて躊躇してしまう。
けど、私のために今も他の場所で闘ってくれている人がいる。
だから、私は前に進まないといけない。
「せめて・・・一思いに・・・」
私はそう思いながら、懇親の一撃をグリフォンに振り下ろそうとしたが、天から無数の光が降注ぎ、その威力によって吹き飛ばされてしまった。
グリフォンは光に飲まれ絶命したようで、その骸は光を放ちながら星型のブローチになる。
「てめえら・・・なめた真似しやがってええええええええ」
「あ、アラゾメか・・・油断した・・・」
青髪のアークメイジさんは咄嗟に回避行動をしたようで、気を失っていないが、何人かは不意打ちに気を失い倒れている。
私もルティディアも幸いに気を失ってはいないが、すぐ動けないでいた。
アラゾメは拾ったブローチを宙に投げ上げて、魔法の矢でそれを撃ち抜いた。
黒い塵となりブローチは粉砕した。
「よくもおおおおお!」
声を荒げた青髪のアークメイジにアラゾメは容赦なく、攻撃をしようとする。
放たれ光の矢は綺麗に無へと還った。
青い風が吹いたのだ。
青雲剣を手にしている轟さんによって・・・
「ある人は言いました。正義の反対は悪ではない・・・また別の正義だそうです・・・私は人を裁いたりできません・・・でも貴方は許せないです!」
自分の前に立ち塞がっているのが、4次にもなっていないナイトだからなのか、アラゾメの怒りはより一層増したのだろうか、さっきと同じ魔法の光を轟さんにだけ集中させるように降注がせる。
「轟さん! 逃げろ!!」
「大丈夫です。ティス」
轟さんは迫りくる光に剣を吸い込ませるように、斬撃を放った。
その瞬間に光は、小さく散りさっていく・・・
「アラゾメ・・・相手が悪かったな・・・轟は最強だぞ」
声のする方向にはグリュンヒルを右手に、左手には鬼胡桃といわれた、アラゾメの仲間を頭を鷲掴みにしているロキアルドさんの姿だった。
「はぁ!? やっぱオマエの仲間だからか! 禁術でも使ってるのか!?」
「その程度の思考の貴方なら、もう終わっている・・・」
その後ろからはシュウレイさんが姿を現した。
「轟は優しすぎるんだ・・・剣裁きでいうのなら既に達人だ。気迫がかけているが・・・轟にしかできない・・・活人剣の使い手なんだよ。悪意に満ちているお前の勝てる相手じゃない!」
ロキアルドさんが剣先をアラゾメに向けながら言い放った。
「そんなバカな話を信じるわけねえだろうがああああああああああああああああああ」
ロキアルドさんの話も受け入れず、アラゾメは暴走し何度も攻撃を放つが、全て轟さんに打ち消されていく。
その間に猫石さんとルティディアによって全員は回復し、アラゾメを包囲した。
アラゾメの攻撃は既に誰にも打ち消されてしまうほど、魔力を枯渇してしまったのか
攻撃しようと動作をとるものの、轟さんに何もとどかない。
「とりあえず、降参して一緒に着いて来てください・・・」
轟さんに肩を叩かれたアラゾメは、既に気力を失い、その場に座り込み静かに頷いた。
「ユスティーユ大丈夫か?」
私の辛そうな顔をしてるのに気づいたロキアルドさんが声をかけてきた。
「大丈夫だよ・・・あと少しだもん・・・」
精一杯の声のつもりが、あんまり力も既に入らない・・・
気づいたらずっとルティディアがヒールをかけてくれている。
しかし、そのヒールでは回復ではなく体力の維持が精一杯のようであった。
「いそいで、あと1匹グリフォンを探せ!!」
「はい!」
ロキアルドさんの指示で、全員は急いで探索に散って行く。
幸いすぐにグリフォンは見つかったようで、轟さんとルティディアの支えでなんとか移動し、私達の到着と同時にグリフォンに止めが刺された。
ブローチが1つ地へと舞い降りた。
それを私は手に取り、ロキアルドさんが既に手配してくれているミスティックドアですぐさま、師弟の森へと急いだ。
無論、その一行の中に、アラゾメと鬼胡桃も含めて・・・


「よくぞ、その辛い体で頑張った・・・」
ハルモニア様の言葉と共に、熱いモノが体を駆け巡り、光となって体から吹き出す感覚が分かった。
「おめでとう!」
そこにいる、大勢が私に祝いの言葉をかけてくれた。
「ありがとう・・・」
ヒーローになったとはいえ、改善はされていないのだろう。
まだ、苦痛が体を蝕んで声を出すにも辛い。
「早くメイプルヒーローを取得するんだ!」
ロキアルドさんが、ハルモニアから1冊の本を受け取り、すぐさまそれを私に読ませようとする。
受け取ろうと体を動かすも、バランスを崩して倒れてしまう。
ルティディアがすぐさま、支えてくれて彼女の腕の中で抱かれながら横になる。
渡された本を掴もうと手を差し出そうとするが、それすら満足にできない。
もう力が出なかった。
感覚が確実になくなっていく・・・
その時が今、来たということが私には分かった。
今まであった恐怖と不安は既にない。
寧ろ、ここまでしてくれた人達に申し訳なかった。
「ごめんなさい・・・折角ここまでしてくれたのに・・・」
「気にするな・・・」
声にならないような声だったけど、ロキアルドさん達には届いていたようだ・・・
「轟さん、友達になってくれたのにごめんね・・・」
「何を言ってるんですか!? 友達なんだから! ずっと友達なんだから!」
轟さんは、私の冷たくなっていく手をしっかりと握ってくれた。
感覚がなくなっていった手でも、轟さんの温かさは伝わってくる。
その温かさは苦痛をも忘れさせてくれる。
「それに、ここにいる全員はもうユスティーユさんの友達です! 仲間です!」
叫ぶようにそう言ってくれた轟さんの目から涙が流れ出ていた。
「そうだよ・・・」
もう片方の手を轟さんの相づちを打ちながらシュウレイさんが握ってくれた。
「ありがとう・・・最後は、大勢の素敵な人と一緒にいれて良かった・・・」
気を抜けば、そのまま私は消えてしまうという恐怖もあった。
「もういいんだよ・・・ルティディア・・・」
必死に私にヒールをルティディアはかけ続けてくれいる。
「それより・・・あの・・・約束・・・覚えてる・・・?」
「うん・・・」
「じゃあ・・・今・・・お願いしていい? 歌って・・・」
以前した約束、私の作詞した歌を彼女に歌って貰うという些細な約束を・・・
ルティディアは、泣きそうな表情から精一杯自分の感情を押さえ込み、呼吸を整えて歌ってくれた。

PLAYを押してください(注意:音が出ます)







呼吸(いき)をするように
最初(はじめ)からあたり前のように
あなたと私は 出会ったでしょう

そして共に手をつなぎ
同じ歩幅で歩いてゆくの

いつの日か
どちらかの魂が
やさしい 大海へ
いだかれるその時まで

あなたが誰かなんて
私が何者かなんて
問いかけることは
意味がないの

だからただそばにいて
ほら幸せの花が開いてく

いつの日か
どちらかの魂が
やさしい 大海へ
いだかれるその時まで

そして月日はめぐって
きっと私たちはまた 出会う
魂の約束(ロンド)
永遠の約束

いつの日か
どちらかの魂が
やさしい 大海へ
いだかれるその時まで

I belong to you
You belong to me
We return to Sea of Soul
We'll promise there to see



素敵な歌・・・
「ルティディア・・・ありがとう・・・」
これが私の最後の言葉か・・・
悪くはないよね・・・


眩い光に私は気づいた。
「貴方は死にました・・・でも終わりじゃない・・・」
光の中に見えるのは、何度か見たことのある顔であった。
ロキアルドさんやシュウレイさんが使っていたメイプルヒーローの女神であった。
「終わりじゃない・・・?」
光ですぐには気づかなかった・・・
死んだ私は魂にでもなってしまったのか、半透明の体は光を放っているが、みんなには見えてないようだ。
そして、眼下には私の死を悲しんでくれている人達がいる。
ロキアルドさんは涙を流しながらも、意気消沈しているアラゾメの胸座を掴み叫び上げる。
「これは、お前が邪魔した結果だぞ! 身勝手な振る舞いで1人を死に追いやった気分はどうだ!?」
その間に、轟さんが割って入る。
「ロキア! 落ち着いてください・・・。 それに彼も十分分かってくれているはずです・・・」
轟さんがロキアルドさんの腕を掴むと、アラゾメは無気力に地面に膝を着け、大きな声を出して泣いた。
私の死を悲しんでるのか、己の惨めさを悔いて泣いてくれたかは私も分からない。
女神が再び口を開く。
「貴女は力になれます・・・この世界全ての人の・・・」
「私が!?」
死んでしまって、いきなり世界全てとか言われても困惑してしまう私に女神は話し続ける。
「貴女は最後まで、絶望と恐怖の中でも希望を諦めなかった。そんな希望を持てる人だからこそ、世界の希望に与えれるのです。さあ、私の仕事を貴女も手伝ってください・・・」
私の魂から放たれる光の一部が、読めなかったメイプルヒーローのスキルブックに吸い込まれていく。
本は光を放ち、ページが風に靡かされるように勢いよく捲れていく。
その間も放たれ続けた光の粒子は、みんなに降り注いていき、体の中へと入っていく。
そして、宙にいる女神が手を振り上げると光の粒子は空高く上がっていく。
私には一体何が起こったのか分からない。
「ありがとう…これで世界を救える力を全ての人に…きっかけは貴女の死だったけれど、これでメイプルヒーローの力は多くの人を助けることができます」
女神は悲しげな顔で、そう呟いた。
「それなら良かったです・・・」
「貴女も今から私達の仲間です・・・よろしくお願いしますね」
「分かりました・・・」
返事した瞬間、ルティディアに抱かれていた体は光の粒子なり、スキルブックへと吸い込まれていく。
次の瞬間にはスキルブックは弾けて、その光の粒子が私の体を形とっていく。
しかし、身に纏っているモノは女神と同じ装束で、気づけば魂もそれに重なり、1つになった。
それはみんなにもハッキリ見えたようで、全員が驚いていた。
何より自分が驚いている。
光の粒子で作られた仮初めの体は今、この瞬間にも消えようとしている。
けどそれに恐怖も絶望も不安もない。
私はただ、みんなにもう一度だけ伝えておきたかった。
「今までありがとう・・・これからもみんなの近くにいます・・・またね」



~エピローグ~

私は今でも元気にやってますよ。
ユスティに手紙を書くことになるなんて思いもしなかったよ。
あなたが、私の歌が終わった後に光になって、メイプルヒーローのスキルブックに宿ったりとか不思議な出来事からもう数ヶ月も立ちます。
変な話で、あの光のせいか私と轟さんは、そのまま4次職へと転職してしまいグリト様とかも困惑してたよ。
アラゾメもユスティが死んだ原因が自分にもあるって事も、ことの経緯もしっかり理解したみたいだし、考えを改めてくれるといいけどね。
ビショップになってからも覚えることが多くて大変だった。
結局、これも縁だってロキアルドさんのギルドのとこでお世話になり、生命の根や黒い本など手にいれるのも手伝ってもらったり・・・アラゾメにも色々と手伝って貰っちゃったよ・・・
あの人なりに悔い改めようとしてるんだと私は思うよ。
ロキアルドさんも怒りながらでも、その辺りは認めてるよ。
あ、あとねバハムートを召喚できるようになったよ。
ちょっと怖いけど、名前もユスって名づけて一緒に頑張ってるよ。
名前はユスティから貰いました。
ビショップになれたのだから、これからは多くの人を助けれるようになりたいなって思ってる。
ギルドにもお誘い受けたけど、とりあえずは1人で他の生き残りの仲間を探したり、ユスティーユみたいに苦しんでいる人の助けにもなればいいなってことでやってみるよ。
今もメイプルヒーローを使うと貴女の顔が見れるかもって思うけど…いつもの女神様で残念かな。
でもいつも、貴女が近くにいてくれてるように感じます。
そんな貴女に手紙を書くのも変かなって思うけど、私も伝えたかったんだ。
あの時の貴女が最後に見せてくれた笑顔に私も救われたんだよ・・・

こっちこそ、ありがとうね・・・またね。

親愛なるユスティーユ様へ
                                   
                                ルティディアより敬意を込めて・・・

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地球の名言Ⅱ


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プロフィール

ロキア&シュウレイ

  • Author:ロキア&シュウレイ


  • あんずで活動してる二人です。
    まったりまったりです。
    2012年3月8日に夫婦となりました。
    頑張って更新して行くつもりです。
    ロキアルドは剱士職でで暴れています。
    シュウレイはデュアルブレイド・アヴェンジャーの育成をがんばっています。





    平成22年2月22日設置



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    作成された素材を使用させていただいてます。


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    【http zip fc2 com】


    キャラクター紹介
    アヴェンジャー
    蒼剣士ロキア:
    現在メインとなるアヴェンジャー
    レベル222を目指す。
    蒼き剣をその手にして快進撃中。
    蒼い剣士ロキアルドIN蒼光の軌跡
    ROKIARUDO:
    グリュンヒルを使う蒼い剣士
    二つ名は蒼光の軌跡
    レベル200のヒーロー
    2010年2月9日0時13分
    覇王となる
    ロキアルド4c
    剣豪は2体レベル200までする。
    INT特化した剣豪をメインとし活動する。
    そして今はSTR極!


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    シュウレイ:
    青龍と白虎を巧みに使いこなす
    青い魔術士
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    アリューネス:
    時間に忘れたれた者。
    己の信念と拳を信じ、
    時を逆さに巻く。
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    2012年4月16日22時16分
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    多種多様なスキルを使いこなし
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    怪盗として英雄となる。
    みくもちゃん
    中御門深雲:
    影を切り裂く紅き電光石火
    居合いの極意を見せつける!
    2012年8月14日22時
    疾風の刃として名を轟かす!
    ファルセニア3
    ファルセニア:
    復讐の刃として世界を巡る。
    凶撃は何もかもを切り裂いて!
    2012年10月10日22時
    高き志しを持ち、新たな旅へ!





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